はじめに企業からのご相談でよくあるのが「コミュニケーションが苦手な社員への対応」に関する相談です。空気が読めない、報連相がうまくできない、チームで浮いてしまう…、そんな状況に人事担当者や管理職の方が悩まれることは少なくありません。コミュニケーションが苦手な背景には・・・コミュニケーションが得意でない方の中には、想像・類推することが苦手な方が多くいらっしゃいます。このような特徴があると、次のような困難が生じる場合があります。空気が読めず相手を困らせてしまう相手の気持ちを想像・類推することが苦手なため、場の空気を読み違え、相手を困らせてしまうことがあります。報連相のタイミングが分からない明瞭に指示を出してもらわないと報連相の塩梅が分からず、適切なタイミングで報告・連絡・相談ができない場合があります。業務の見通しを誤る見通しを想像するのが苦手なため、仕事の進め方や優先度を誤ることがあります。自分の意見に固執してしまう自分より他者の意見が優れていたとしても、他者の意見の優位性をとっさに理解しにくいため、自分の意見にこだわってしまい、周囲の意見を受け入れにくい傾向があります。対応の工夫こうした特性を持つ方に対しては、次のような工夫が有効かもしれません。行間を読ませようとせず、はっきり意見を伝える相手に暗黙の理解を求めず、率直に言葉で伝えることが大切です。十分に説明したつもりでも相手に「なぜそうなるのか」が伝わらない場合は、スモールステップで順を追って説明すると、より伝わりやすくなるかもしれません。明瞭で具体的な指示を出す曖昧さを減らし、誰が聞いても分かる形で業務指示を行うと安心して動けます。指示を出す際は、否定文よりも肯定文の方がおすすめです。たとえば「立ち歩かれては困るよ」ではなく「椅子に座ってくれる?」と伝えた方が、誰にとっても分かりやすく受け取りやすいものです。また、報連相に課題があった場合は、その都度フィードバックを行うことで、本人の経験データが蓄積され、次回以降の改善につながります。成長はゆっくりかもしれませんが、場数を重ねることで確実に報連相の対応力は向上します。想像・類推が苦手なので応用力が低いと感じるかもしれませんが、経験から学ぶタイプなので成長の仕方が違うと理解したほうがいいかもしれません。成長したあかつきの到達点はほかの人よりも高いこともあります。上手に育てると「大器晩成型」ともいえる社員になるかもしれません。仕事の見通しを示すスケジュールやタスクの流れを示してあげると、業務の進行がスムーズになります。口頭指示だけでは伝わりにくい場合もあるため、チェックリストや図解など視覚情報を添えると、誰にとっても理解しやすくなります。まさに「百聞は一見にしかず」です。理由を添えて意見を伝える本人の意見を一度受け止めたうえで、異なる意見を伝える際には、その理由を添えることが大切です。自分にとっては当たり前でも、相手にとってもそうとは限りません。長所としての側面このような方は「状況を広く読むのは苦手」ですが、自分が興味を持ったことは「とことん掘り下げることができる」特性を持つ場合があります。その丁寧さや根気強さは、適材適所で大きな力になります。部下の気質を理解し、その人に合った対応をすれば、能力をより引き出せる可能性があります。発達特性との関連コミュニケーションの苦手さが社会生活で困難をきたすほどで、さらに付随する症状がある場合、自閉スペクトラム症と診断されることもあります。ただし診断がつかなくても、同様の特性を軽く持ち合わせている方は非常に多くいます。平たく言うと「マイペース」で「自分のこだわりを大切にする」「周囲の意見を受け入れにくい」傾向がある人です。実際、仕事ができる優秀な方は多かれ少なかれ、このような気質を持っているものです。大切なのは「診断名」ではなく「どうすれば力を発揮できるか」に目を向けることです。部下が「やらない」のではなく「うまくできない」ことに気づければ、管理する側も対処の工夫ができ、結果としてストレスも軽減されます。まとめコミュニケーションが苦手な社員は珍しくなく、多くの企業で課題となっています。背景には「想像・類推の苦手さ」があり、対応の工夫で改善できる部分が多くあります。特性を理解して対応することで、早期離職の予防や職場定着につながります。産業医面談では、こうした特性を踏まえた助言や、企業と本人の双方に寄り添った支援が可能です。社員対応にお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。▶ 産業医サービスの詳細はこちら▶ 料金のご案内はこちら▶ お問い合わせはこちら